Cine-File Vol.3 - フレンチ・ディスパッチ【プレゼント企画】

日本では2022年1月28日公開のウェス・アンダーソン新作映画、フレンチ・ディスパッチ。今回は私からのプレゼント企画も。
あんな 2021.10.23
誰でも

こんにちは、あんなです。

ウェス・アンダーソンの新作映画、『フレンチ・ディスパッチ』を観てきました。
→ サーチライト:フレンチ・ディスパッチ公式サイト

公開が決まってから楽しみにしていた作品。
アンダーソン作品はストーリーもさることながら、その映像美が特徴的ですよね。
今回もまた、芸術作品のような作品に目を楽しませて頂きました。

記事の最後にはプレゼント企画もありますので、是非読んでいただけると幸いです🎁

ストーリー:

『フレンチ・ディスパッチ』は、カンザス州リバティ市を本拠地とする雑誌。
ストーリーはまるでこの雑誌のページをめくるかのように、フレンチ・ディスパッチのスタッフが書く4つのショートストーリーによって成り立っています。

サゼラック(オーウェン・ウィルソン) によるフランス郊外の自転車紀行
ベレンセン(ティルダ・スウィントン)による美術評論
クレメンツ(フランシス・マクドーマンド)による学生運動のルポルタージュ
ライト(ジェフリー・ライト)によるフードジャーナリズム

各々のストーリーの間に、編集長のホウィッツァー(ビル・マーレイ)が校正していき、ページがめくられていきます。

フレンチ・ディスパッチは、雑誌『ザ・ニューヨーカー』へのオマージュです。
カンヌでの発表以降、本作は「ジャーナリズムへのラブレター」と評されています。
登場する作家や編集長は実在するザ・ニューヨーカーのスタッフであり、アンダーソンのザ・ニューヨーカーへの愛が伝わってきます。

雑誌『ザ・ニューヨーカー』表紙。

雑誌『ザ・ニューヨーカー』表紙。

感想:めっちゃウェス・アンダーソン。

これまでのアンダーソン作品史上、最も「ウェス・アンダーソンっぽい」映画だな、というのが私の感想でした。4つのストーリーに分けるのも、まるで自分の世界観を演出するための言い訳というか、ストーリーを追うよりも、そのカット割の美しさを見つめるのが本作の正しい楽しみ方なのではないかな、と思いました。

ストーリー展開は雑誌のページをめくるようですが、映像としてはまるでギャラリーに来たかのよう。良い意味で「映画を観ている」ようではありませんでした。アンダーソンの世界観をただただ楽しむための映画です。

予告編などで皆さんがおそらく楽しみにしているのはレア・セドゥーとティモシー・シャラメの登場ではないでしょうか。

レア・セドゥーは椅子の上に立つヌードモデルとして、2つ目のセクションで登場します。
キャンバスに向かう男性と静立つモデルの関係性は警報とともに一気に変わり、レア・セドゥーは警官の制服に、画家は拘束衣に身を包みます。

ここでザ・ニューヨーカーのコメントが秀逸でしたので、お借りしたいと思います。

"We talk airily of an artist capturing somebody’s likeness, or essence, but here, in a beautiful twist, the captor is revealed as the captive, and the male gaze is placed under lock and key."

「芸術家がその目線の先の肖像や本質を捉えているというような話がよくされますが、ここではそれに美しいひねりを加えられ、捕獲するものが実際は捕獲されていることが明らかになり、男性的眼差し(メイル・ゲイズ)に鍵がかけられる。」

The Elegant Containment of "The French Dispatch" - The New Yorker

ティモシー・シャラメは学生運動を率いるチェスに長けたリーダーとして3つ目のセクションに登場します。この学生運動は1968年にフランスで実際に起こったものをモデルにしています。

May 68 - 実際に起きたプロテスト。

May 68 - 実際に起きたプロテスト。

けれど私が最も気に入ったのが最後の4つ目のストーリーです。

記者の中で唯一非白人である、ジェフリー・ライト演じる記者ライトが担当するこのセクション。ライトは作家であり公民権運動かであるジェームス・ボールドウィンをモデルとしています。

ジェフリー・ライト演じる作家、ライト。

ジェフリー・ライト演じる作家、ライト。

ジェームス・ボールドウィン

ジェームス・ボールドウィン

シェフ役として登場するのはスティーブン・パク。前髪パッツンヘアスタイルは藤田嗣治インスパイアだそうです。藤田嗣治はフランスに帰化した日系芸術家です。

スティーブン・パク演じるシェフ、エスカフィエ。

スティーブン・パク演じるシェフ、エスカフィエ。

藤田嗣治

藤田嗣治

エスカフィエとライト二人のシーンでは、海外から来た者としてのセリフがあったりと、アンダーソンなりのメッセージを強く感じるセクションでした。

***

フレンチ・ディスパッチ、日本では2022年1月28日公開です。
様々なオマージュや小ネタが多いこの作品。とても美しく、アンダーソンなりのメッセージは強いものの、ストーリーとして楽しむ、といったオーソドックスな映画ではありません。既にアンダーソンワールドがお好きな方におすすめします。

事前にザ・ニューヨーカーを読んだり、こうした小ネタの予習をしておくと、さらに楽しめる映画ではないかと思います。

あんな的評価:

ストーリー性:★☆☆☆☆
演技:★★★★☆
映像美:★★★★★
独創性:★★★★★
メッセージ性:★★☆☆☆

総合:★★★☆☆(3.4)

プレゼント企画!

さて、最後まで読んで頂きありがとうございます。
この度、フレンチ・ディスパッチに関するプレゼント企画を行いたいと思います。

フレンチ・ディスパッチのポスターデザインが描かれた葉書に私のメッセージを添えて、抽選で11名の皆様にお送りしたいと思います。(キャラクターは選べません。ご了承ください。)

応募方法は以下の通り:

【ツイッター】
①ツイッターであんなのアカウントをフォロー(@annaPHd9pj
②この記事が貼られているツイートをいいね・リツイート(引用リツイートでもOK!)

【インスタグラム】
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②「プレゼント企画」と題された投稿にいいね、コメント
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応募期間は11月2日までです。
当選者は各々のSNSで後日発表致します。
多くのご応募をお待ちしております☺️

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