滞在許可証が届かなかった話。
こんにちは、あんなです。
9月にUKに来てから早8ヶ月が経ちました。
8ヶ月経った先週、やっと私の手元に届いたものがあります。
BRPカード(滞在許可証)です。
もともと来英した9月に届くはずだったものが、コロナ対策によって例年と違う配布方法等で何かしらの手違いがあったようで、一度も私の手元に届くことがなく紛失されてしまいました。
そこから紛失届を出し、新しいものを申請し、申請のためにビザセンターの予約を取り、ビザセンター(遠方)まで行き…。やっと先週、BRPカードを手に入れることができました。
私は学生ビザを取得して入国しているので、最悪何か問題が会った際に、それを証明できればBRPカードが無くても国内で問題になることはありません。唯一の難点は、国内でお酒を買う際にはパスポートを持ち歩かないといけないことくらいで、私はお酒を飲まないので全く不都合はありませんでした。
しかし、問題は出国してからまたUKに入国する際に、改めてビザを申請しなければいけない、という点です。その分時間もお金もかかります。さらにはコロナ禍でもあったことから、必ずしも入国が許可されないかもしれないという問題がありました。
特に日本に帰国する予定が無かった私ですが、「もし何か不幸があった場合に今のままでは出国が好ましくない」という状態が、潜在的にとてもストレスでした。
結局、無事に大きな問題がないままBRPカードが届いたので、今となってはたらればですが、何も問題が無かったことは単に運でしかないと感じています。
合計8ヶ月間、私は適切な書類がないままUKに滞在していました。
もちろん、国に紛失届けも出していますし、申請のプロセスの最中でしたので、捕まるなどということはありません。さらには、日本のパスポートを持っているので、何かあれば大使館に助けを求めることができたでしょう。
それなのにも関わらず、この8ヶ月間はとても不安でした。
日本のパスポートを保持しており、学生ビザで入国している私。
人生で、滞在のステータスに不安を感じることはないと思っていました。けれどもこのような状況になってしまった。
では、実際に入国許可がない人は、どのようなストレスを感じているのだろうと想像してみたら、それはそれはとてつもない心労を抱えているのではないかと思いました。
所謂"強い"パスポートを持っており、そのような状況にならなくて良い特権を持っている私。おそらく今回のBRPカードの紛失・配達の遅延が最も"困る"状況でしょう。
今回の経験を通じて、改めて自分の特権に気づかされました。
日本では今、名古屋出入国在留管理局で亡くなったウィシュマさんのご家族が来日されております。入管法改正は止めることができたものの、今でもなおウィシュマさんのビデオの開示を拒否したりと、真摯であるとは言い難い対応をしている日本政府。
そして忘れてはならないのは、今もなお入管には多くの外国人の方々が収容されているということです。入管の外にも、いつ自分が拘束されるかと怯えて暮らしている方が多くいらっしゃることでしょう。
より良い生活を求めて外国に移住することは、グローバル化が進んだ現在では当たり前に日々起きていることです。迫害から逃れるためなら尚のこと、自分や家族の命を想い、決死に移住を試みることでしょう。
今の日本の状態は、世界的に見ても異常です。
そして忘れてはならないのは、日本人も海外に移住しているということです。
私がその一つの例です。
国と国の栄目がどんどんと曖昧になり、〇〇人という定義もどんどん難しくなっていきます。そう定義付けることすらナンセンスになってくる時代になっていくでしょう。
それに逆らうのは、顔厚忸怩極まりたるものです。
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その場に立ってみないとわからないことがある。
私の場合は、爪先をちょんと水面につけたくらいです。けれどもこれだけのストレスを感じたのです。
今回の私の経験は単なるアクシデントで、特に問題無く全ては終わりましたが、このようなことがあったこと、そしてその間どのように感じたのかをみなさんと共有したく、文を認めました。
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