あんなのclubhouseルールブック。
こんにちは。あんなです。
先月の終わりごろ、私も話題のclubhouseに招待を頂き登録しました。
皆様の声が聴けて、まるで電話のように話せるのが特徴的なアプリです。
私も最初の頃はツイッター上の友人の声を初めて聞けるアプリに感動し、また更に皆様と繋がれたような気がしてとても楽しい時間を過ごしました。
しかしこの一か月でだんだんと日本語界隈のclubhouseも形を変え、今では社会問題が語られる場として大変有意義な場になりつつあります。それも、ソーシャルアクティビストの方など、問題と密接に関わっている方々の生の声が聞けるというのが大きな要因であると思います。
紹介制であっても時が経てばどんどんとメンバーも広がり、マナー的に問題がある人もお見掛けするようになりました。私が最初の頃にやっていた、「友達とだべる」clubhouseならまだしも、デリケートな話題が話されているとき(特に多くの方が参加しているルームにて)は、ある程度の共通的なルールが必要だなと感じました。
そこで、今回は私がこの一か月間clubhouseをロムった結果、特にジェンダーのお話をしているルームに参加する際には必要だなと感じたルールをまとめたいと思います。
今回はリスナー・スピーカー編をまとめてみました。
どうぞお付き合い宜しくお願いします。
リスナーのルール。
clubhouseといえばまず思い浮かぶルールが「clubhouse内での出来事を他言しない」です。clubhouse内の会話は録音されず、アーカイブ化されません。その分自由に話ができる利点がありますが、逆に言えば伝聞式にデマが拡散されてしまう恐れもあります。
その日本第一号の被害が、勝部元気さんと藤本あさこさんがモデレートしていたSOCIAL ACTIVISM CLUB 01のルームにお笑い芸人・おぎやはぎの小木さんが乱入された一件ではないでしょうか。
私自身当時当該ルームで皆様の会話を聞いていたのですが、後日ネット上では事実無言の情報が荒れ狂い、勝部さんと藤本さんが悪質な嫌がらせに遭うという展開になってしまいました。
更に、このルームの会話の一部がYoutubeにもあげられてしまったそうです。
モデレーターであるお二人はもちろん、スピーカーとして登壇された方々は、ルーム外の人が後日その会話を聞けないという前提でお話されていました。中には外部の人には聞いてほしくないと思っていた方もおられるでしょう。さらに、スピーカーの中には一般の方々もいらっしゃいました。本名前提であるclubhouse、ルームのスクリーンショット等で彼らの個人情報がネット上に載ってしまったということになります。
今回の一件はclubhouseの中でも特に悪質ではありますが、リスナーの方々はclubhouseの第一のルールである、「clubhouse内の会話は他言しない」をしっかり守りましょう。
どうしてもシェアしたい!
ユーザーが多くなってきたclubhouse。興味深いルームが次々に出来上がっています。
どうしてもルームを聞いていること、ルームの存在をオンライン上でシェアしたいときもあると思います。
先日、clubhouseのルームのリンクがシェアできるようになりました。
ルームをシェアしたい場合はこのリンクをツイートしましょう。
リンクをシェアできるようになったことで、モデレーター・スピーカーの方々が告知をしやすくなったのも大きな利点です。もし彼らがルームを開く旨をツイートしていたら、それを(引用)リツイートするのもよいと思います。
くれぐれも、内容の詳細については付け加えないようにしましょうね。
しかしどっこい、今スピーカーの方が言ってた言葉、胸に響きまくっちまったぜ!ということもあるかもしれません。その場合は、その場にいる参加者の方々に許可を取ってシェアしましょう。
スピーカーのルール。
面白いルームを見つけた!憧れのあの人がいるルームがあった!
挙手をして参加の意を示せば、もしかしたらスピーカーとなり直接お話ができるかもしれません。
まず大前提として、喋っていないときはマイクを消しましょう。
clubhouse創設者の方々は、全員マイクを消さずに電話のように話をしてほしいという思いがあったそうです。友人同士、または少人数のルームであればこれで問題ないと思いますが、大人数が参加して重要な議題について話をしているルームでは、ノイズを避けるためにマイクを消しましょう。
敬語で話しましょう。
相手は初めてしゃべる相手。あなたの友達ではありません。急なため口は失礼です。
次に、時間を気にしましょう。
多くの人が順番を待っている中、長々と何分も話をする人は少なくありませんでした。
モデレーターが割に入ろうとしても、なかなか止まらないマシンガントーク。
言いたいことがたくさんあるのはわかりますが、ほかの参加者の方々の時間は有限です。
人数が多いルームの時は特に、自分のターンは2、3分に収めましょう。
再度、ルームのタイトルを確認しましょう。
私がモデレートしていた部屋でもあった出来事ですが、急に参加して、まったく関係ない事柄について話し出した方がいました。もはや何がしたいのかわかりません。
必要最低限のマナーとして、せめてルームのタイトルの確認ぐらいはしましょう。
更におしゃべりがお好きな方は、別の方がお話をされている際に勝手に自分の意見を発言する方が散見されました。
スピーカーのあとにコメントをするのはモデレーターに任せましょう。相手も、モデレーター以外の方とお話したいと思っていない可能性もあります。多くの場合、別の方が意見された後に「この件に関して質問、コメント等ありますか?」とモデレーターが付け加えてくれます。それまで待ちましょう。
どうしてもその件について発言されたい場合は、「すみません、今の件について質問・コメントがあるのですが、良いですか?」とモデレーターに許可を取ってから発言しましょう。
事前に情報収集しましょう。
clubhouseでは、多くの場合プロフィール上に他のSNSのリンクが貼ってあります。
もしモデレーターが、あなたが知らない人であった場合、話をする前に一度その方のSNSでどのような経歴の方を確認しましょう。
私のルームに参加してきた方で、「あなたのことは存じ上げないのですが」と前置きしてから全く話していた話題とは異なるベクトルでお話される方がいました。
もちろん、普段私のツイッターをフォローしておられない方とclubhouseでつながるのは大歓迎です。ただ、真剣な話題の話をしているようであれば、せめてモデレーターのプロフィールくらいは確認しておきましょう。
差別について話をしているのであれば。
ここからは差別について、特にジェンダーに関わる話をしているルームにスピーカーとして参加される方に読んでほしいルール。
まず、自分の中にも差別心があるという事実と向き合いましょう。
この世に、差別をしたことがない人間は赤ちゃんくらいです。
ミソジニズムが横行するこの世の中で、何等かのセクシズムを内在していない人は存在しません。それは当事者であっても例外ではない事実であって、当事者でないのなら尚のこと。
「僕・私は差別したことありません。」と言えるということは、寧ろジェンダーやマイノリティ問題に関して知識が足りていないことの現れです。
もしこの点について同意できないのであれば、スピーカーに上がることは控えましょう。
あなたの言葉で傷つく人が生まれてしまいます。
あなたが思いつくような解決策はおそらくもう既に誰かによって提言されているだろうということをわきまえましょう。
現代のフェミニズムの歴史は戦後直後まで遡り、今はフェミニズムの第四波の時代です。
この70年近い間、世界中の女性たちがあの手この手で声をあげ、やっと今の状態まで女性の地位が認められるようになりました。様々な職を持つ女性たちが、各々のやり方で権利を求め、言論と方法論が進められてきました。
女性当事者により長らく語り継がれてきた女性の権利のレトリックとその改善方法よりも良い案は、フェミニズムの第四波が何たるかもわからないような非当事者の方には出すことはできません。
それよりも、もしこの件について改善したいと真に思うのであれば、耳を傾け学びに徹しましょう。あなたがこの10分の間に思いついた案を披露するよりも、その時間を当事者の方々の話に割いたほうのが実りが多いです。
ちなみに、専門性がないにも関わらず(若しくは非当事者なのに)、専門性がある人に対して(当事者に対して)「説明」してしまうことをマンスプレイニングと言います。これを機に検索してみてください。
トーンポリシングに気を付けましょう。
ジェンダーの話題でよく上がるのがトーンポリシングの問題です。
トーンポリシングとは、マイノリティに対して、話の話題ではなく、話者の話法を批判することを言います。
「もっと優しい言い方はできないの?」
「そんな言い方じゃ聞く人も聞かないよ。」
「そんなんじゃ理解を得られないよ。」
というような発言が代表的な例です。
マイノリティの問題は、あなたが気付いていない間にずっと丁寧な言い方で表現されてきました。それをあなたが知らないだけです。
ずっと丁寧に表明していたのに、誰も耳を傾けてくれず、とうとう怒り心頭になり声が大きくなった途端、そこで初めて気づいたマジョリティが「そんな大声で言わなくても」という構造があります。
当事者に意見する際は、くれぐれも相手の言い方やトーンに対する言及は避けましょう。
フェミニズムが学問であるということを理解しましょう。
上の点にも繋がりますが、フェミニズムやジェンダー論は長らく学問として研究されてきた分野でもあります。もちろん、当事者の方々のお話を聞くグラスルーツな活動も大変有意義です。しかし、clubhouseで目立つ傾向は、ジェンダー入門書に書いてあるような内容を新しく入ってきた人たちにいちいち説明する時間を長く使ってしまう、という光景です。
あなたにとっては新しい情報でも、ジェンダーについてルームを開くような方々からしたらだいぶ初歩的な内容になってしまします。
もちろん、ルームに「ジェンダー入門」や「性差別に対して質問に答えます!」など、初心者向けのタイトルがついていたら、どんどんと質問してください。参考になる本や映画なども聞いてみるのもいいでしょう。けれども、それよりも少し専門的な話をしているルームでは話は別。ジェンダー関連の本を読んだことがないのであれば、スピーカーではなくリスナーに徹しましょう。
こちら、私が書いた差別のnote、そしておすすめのブックリストを貼っておきますので参考にしてみてください。
相手の話を遮らないように注意しましょう。
これもよくある残念な光景です。
clubhouseは声だけの媒体のため、表情が見えずしゃべるタイミングが少々難しいアプリではあります。
しかし、喋っている人の話を遮る人がとても多い。そしてその多くが、男性が女性の話を遮る、という光景です。
非当事者なのであれば、当事者の方が話をしているときは話を遮らないように注意しましょう。特に男性の方で多いのが、遮っていることにすら気づけない人。自分はやっていないと思っていても、ルームに参加する際は改めて自分が相手の発言を止めていないか確認しながらしゃべりましょう。
これらを読んで「めんどくさい」と感じたのなら、スピーカーになるのはやめましょう。
マイノリティやジェンダーの問題は非常にデリケートです。心の傷を負っている方も少なくありません。これまで書いたルールを読んで「めんどくさい」と思ったのであれば、きっとあなたはそういった話題が上がるルームにおいて発言するには向いていません。興味があるのは素晴らしいことですが、どうして「めんどくさい」と思うのが不適切かを理解できるまでは、リスナーに徹しましょう。
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これまで目を通して頂きありがとうございます。
新しい媒体であるclubhouseに加え、最近やっと世間の注目を集めるようになったジェンダーやマイノリティ問題。
なんとなく感じていることでも、こうして文に起こすことに意味があるのではないかと想い、認めさせていただきました。
是非、これらを読んで、リスナーとしてもスピーカーとしても、誰もが不快な思いをせずに済むclubhouseになればいいなと思っています。
みんなで共通のルールを認識しあうことで、更に意味のある議論が生まれますように。
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