骨髄ドナー登録をしました。
こんにちは、あんなです。
私たちミックス当事者は様々な問題を抱えていますが、そのうちの一つが骨髄ドナーのマッチが見つける難易度です。
骨髄のマッチには人種という遺伝的ファクターがとても重要であり、ミックスレイスになるとそのマッチが見つかる可能性が格段に低くなります。
この理由はまずミックスレイス当事者が少ないこと、そしてその当事者たちが骨髄ドナーに登録している割合が少ないことが挙げられます。
これまでにも私は何度か、ミックスコミュニティの中で骨髄ドナーを探しているというお話を伺ったことがありました。私が初めてこの問題を知ったのは、2021年。サンディエゴに住むマナイ君がドナーを探しているという投稿を読んだ時でした。
マナイくんはその後無事にドナーが見つかり、2021年11月現在、順調に回復に向かっているようです。(本人のGoFundMeのページより。)
以前からこの問題を認識していた私でしたが、度重なる引越しの最中、なかなか骨髄ドナーの登録をすることができずにいました。そんな中、今回ミックス当事者のお子さんを持つトーマスさんが、お子さん(フラミニアちゃん)のためのドナーを探しているということを知りました。
私の名前はトーマスです。私はイタリア人で、妻は日本人です。幼い娘が死にかけている親として、皆様のお力をお借りしたいのです。娘の命を救うために、私たちには3ヶ月しか残されていません。
彼女の白血球の形は、「日本人と白人(特に地中海系やラテン系)のハーフ」がマッチの可能性が高いと書いてあり、まさにプエルトリコ系と日本のミックスである私はマッチするかもしれないと思い、ドナー登録に至りました。
ドナー登録の方法
ドナー登録をしようと決めたものの、方法に関しては全く無知でした。さらに、フラミニアちゃんは日本にいるのに、アメリカにいる私がどうやって彼女とマッチできるのか、という点も疑問でした。
そんな中フォロワーさんから、BeTheMatch.orgであればデータベースを日本と共有しているので、アメリカからでも日本の患者さんとマッチできると教えていただき、Be the Matchに登録することにしました。
登録に関して、もう一つ私の中で心配だったのが、DNA採取の方法でした。私は血管迷走神経反射がひどく、採血をしても注射をしても必ず失神してしまいます。これまで骨髄ドナー登録は採血が必須だと思っていたので、とても不安でした。
しかしBe the Matchの場合は採血は不要で、綿棒で口内のDNAを採取するだけで登録が可能なので、私の中でハードルがだいぶ低くなりました。「そんなんでどうやって骨髄移植の手術をするのよ!」と心配されそうですが、全身麻酔で行うことが可能だそうですので、もしマッチが見つかった場合は全身麻酔でお願いしようと思っていますが…それは決まってから悩もうと思います。(日本・赤十字の場合は採血が必要です。)
登録の際はまずBe the Matchでドナー情報を登録し(誕生日など)、検査キットを送ってもらう手続きをしました。登録には18歳から40歳までという年齢制限がありました。数日後、検査キットが届きました。
Be the Matchから届いた検査キット
綿棒キット
検査の方法は、綿棒を取り出し、ほっぺの裏側と歯茎を10秒ほど綿棒で擦り、テープで綿棒を用紙に貼り付けるというもの。これを二本します。
口内と歯茎を擦り、綿棒を用紙に貼り付けた様子。
ドナー登録に至った動機を記入する紙。
綿棒キットと一緒に、ドナー登録の動機を記入する紙も同封されていたので、そちらも記入しました。
I swabbed because... there's less chance of matching for people who are mixed-race, like me. (私のようなミックスレイス当事者はマッチングの可能性が少ないからです。)
そしてこれらを同封されている返信用封筒に入れて送り返します(切手不要)。
ポストにイン。
ここからDNAサンプルが審査され、正式に登録されるまで4〜6週間ほどかかります。
登録完了。
ついに先日、登録完了の通知が届きました。
それとともに、ドナーカード(電子データ)がいただけました。
ドナー登録カード。中心には名前が記入されています。
これで、もし今後私の白血球型が誰かとマッチした場合、電話または郵便で私に連絡がきます。その上で、私がその後の移植に同意するかどうかはその時々で決められ、もちろん断る権利もあります。移植そのものは簡単なプロセスではないですし、その時々の健康状態でお断りする可能性、移植が不可能な場合もあるかと思います。例えば妊娠していた場合、移植は不可能です。
登録してみて。
私側でできることはこれで終了です。マッチが見つかればそれも運命ですし、誰ともマッチしない可能性もあります。ミックスレイスでマッチが見つかりにくい、というのは、登録者側にも言えることだからです。ですが、これまでやろうやろうと思っていたことがやっとできたので、それは一つ安心しました。
上記の通り、私は採血がとても苦手で、これまでドナー登録に至るまでの一つのハードルになっていたのですが、Be the Matchは採血が不要だということで、心が落ち着いた状態で登録ができました。日本の場合採血が必須ということで、ここのハードルが日本の登録過程でも下がればいいのにな、と思いました。
今後もミックスレイス当事者の皆様に対して登録を呼びかけていきたいと思っているのですが、私自身が登録していないのに登録を呼びかけるのはどうなのかなと思ったのも、登録に至った理由のうちの一つです。もちろん、私はたまたま登録条件に見合い、麻酔などの条件をクリアしていれば移植をしても良いと思えたから登録したのであって、侵害度が高い移植のプロセスに対して様々なハードルがあることは重々理解しているつもりです。
できる人が、やれる時に、やれることをやる。これがベストだと思います。
これを機にミックス当事者の移植問題を知っていただけたら幸いです。
そしてもし登録を考えても良いよ、という方がいらっしゃったら、以下の赤十字のサイトを参照ください。
もしそれが難しい方も、是非こちらの記事を共有していただき、広く多くの方にこの件について知っていただけるようご尽力いただければ幸いです。
加えて、骨髄ドナーを必要としているのはミックス当事者のみではありません。当事者でない方も、これを機に登録をお考えになってみてください。
この問題をさらに知りたい!という方には、ドキュメンタリー『The Mixed Match』をお勧めします。
ちなみに、その後フラミニアちゃんは順調に回復に向かっているそうです!
よかった☺️
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タイトルページの写真はトーマスさんのインスタグラムより。(@thomashouseokinawa)
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